@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00000790, author = {勝山, 祐子}, journal = {文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究}, month = {Jan}, note = {マルセル・プルーストは,18 世紀フランス絵画とイギリス絵画のコレクターだったカミーユ・グルーと面識があった。グルーは豪傑とも呼べる人物で,息子たちとの折り合いが悪かった。また,ターナーなどイギリス絵画の贋作を多数所有し,イギリス絵画の展覧会をバガテルで開催した際には世間の中傷にあった。それゆえ,グルーの名は美術史からいったんは消えてしまった。だが,プルーストが,フランス国内には現在でもわずかしか存在しないターナーの作品を実際に見ることができたのはグルーのおかげである。グルーは晩年に,パリ市内の邸宅にユベール・ロベール風の噴水と列柱のある庭園を造らせたが,これはゲルマント大公家のユベール・ロベールの噴水のモデルである。また,コレクターとしてのグルーは,コレクターとしてのスワンのモデルである。いっぽうで,グルーは,芸術作品とそれを見る者(コレクター)の間には霊的な関係があると信じていた。これは,芸術作品にはその純粋で普遍的な価値とも,事物としての歴史的な価値とも別に,見る者にとってのみの個人的な価値があるというプルーストの主張に結びつく。これは芸術作品がもたらす想起する力のことである。ここからプルースト独自の「再生」のテーマが導きだされる。, 研究ノート, Research Note}, pages = {69--88}, title = {失われた視線のコレクター : プルーストとカミーユ・グルー}, volume = {23}, year = {2015} }