@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00000688, author = {荒井, 健二郎}, journal = {文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究}, month = {Jan}, note = {小説を書くことに行き詰まりを感じていたジェイムズ・ボールドウィンは, エリア・カザンの勧めに従い, 戯曲を書くことに活路を求めようとした。その結果生まれたのが, 初戯曲『白人へのブルース』 (Blues For Mister Chalie, 1964)である。演劇という初めて手を染める形式の中で, ボールドウィンは, I決閥的手法ともいえるフラッシュバックの多用や時間的順序を追わない場衛構成,上演時間の驚くべき長さといった実験的要索を取り入れており, 演劇に対する彼の汲々ならぬ意欲を汲みとることができる。しかし, その試みは成功に結びついたとは言い難い。そのことが, 観客側に人間関係の構築を困難にさせているからである。しかし, 彼の意欲が実を結ばなかった最大の原因は, 実験的要素を取り入れた以上に, 脚本の組み立ての不味さにあるように忠われる。この戯曲は, 195年王ミシシッピ州で起こったエメット・テイル事作に基づいたものであり, テーマは白人と黒人との関係を洗い直すことにあったはずだが, それがいつの間にか, 系人の父と息子の関係を洗い直す二重構造に変質してしまっているからである。}, pages = {45--54}, title = {ジェイムズ・ボールドウィン研究 : 『白人へのブルース』を読んで}, volume = {10}, year = {2002} }