@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00000552, author = {勝山, 祐子}, journal = {文化学園大学紀要}, month = {Jan}, note = {『スワンの恋』の時代のヴェルデュラン邸はモンタリヴェ通りにあり、ロココ様式の家具と雑多な贈物で溢れていた。椅子の描写はゴンクールの『芸術家の家』の模作だ。『ゴンクールの日記』の模作は『スワンの恋』の時代の末期に対応し、夫妻は火事が原因でコンティ河岸にある旧ヴェネチア大使公邸に転居し、中国の陶磁器と18 世紀の調度品の収集家として描かれる。これは19 世紀のブルジョワにあっては一般的な傾向だった。財産と知識があれば誰もが貴族的な趣味を持てるのである。戦時中の夫人が「モダン・スタイル」を嫌悪するのは「モダン・スタイル」がミュンヘン分離派と混同されていたからだ。『囚われの女』におけるアルベルチーヌはデュ・バリー夫人の銀器に憧れている。夫妻はこれを所有しているのだが、話者はブルジョワの豪華なだけの品であると見なす。話者にとって夫妻のサロンの時空を超えた「同一性」は家具調度品といった事物の真正さや趣味の良さにはなく、夫妻が居住したさまざまな邸と時代を貫く共通性がもたらすまったく個人的な記憶の共振にある。}, pages = {97--112}, title = {ヴェルデュランのサロンの同一性 : プルーストの作品における室内装飾の一側面}, volume = {47}, year = {2016} }