@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00002076, author = {勝山, 祐子}, journal = {文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要, JOURNAL OF BUNKA GAKUEN UNIVERSITY AND BUNKA GAKUEN JUNIOR COLLEGE}, month = {Mar}, note = {レニエの『ヴェネチア風物誌』には、繁栄を迎えたヴェネチアの十字軍遠征による東方(オリエント)への侵略の記憶の痕跡が描かれる。ラスキンの翻訳家だったプルーストもこの点に意識的で、ヴェネチア軍が戦利品として東方からヴェネチアに運び込んだモニュメントに言及する。また、『アルタナ、あるいはヴェネチアの日々』におけるフォルチュニィの母のテキスタイル・コレクションの描写には、プルーストによるフォルチュニィのドレスの描写との際立った類似が認められる。水のある街を愛したレニエは、ヴェネチアに同じくヴェルサイユを愛したが、レニエの記憶の自由な連想は両者を結びつける。プルーストにおいても、ヴェルサイユはヴェネチアに密かに結びつく。フォルチュニィのコートを纏ったアルベルチーヌとヴェルサイユに出かけた一日の描写に続く場面で、話者はヴェネチアへ旅立とうと決心するのだ。そしてヴェネチア滞在中の話者にアルベルチーヌへの欲望が蘇るのは、このコートをカルパッチョの『聖ウルスラ伝』に見つけた時である。ヴェルサイユはこの二人の作家にとって、ヴェネチアに続く記憶の道なのである。, 研究ノート, Research Notes}, pages = {57--69}, title = {水の街、記憶の街 : プルーストとアンリ・ド・レニエのヴェネチアをめぐって}, volume = {53}, year = {2022} }