@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00001819, author = {平野, 栄子}, journal = {文化服装学院研究集}, month = {Mar}, note = {スタイリストという職業が日本に登場し定着し始めたのは、1960年代後半である。職業として確立していなかった時代、雑誌や広告の撮影現場では編集者やカメラマンがスタイリストの仕事を兼任していた。 1960年にはじまった日本経済の高度成長は60年代後半に入って空前の消費ブームを引き起こし、さまざまな商品が出回るにつれ、メーカーやデパートなど売る側は競い合うように消費者の購買意欲をかきたてるポスターやチラシの制作に力を入れるようになった。また、それを受け入れる消費者側においても、メディアに対しより多くの、そして質の高い情報を求めるようになった。その結果、カメラマンや編集者による物集めやコーデイネートが、質量とも限界に達した。このようなコマーシャル時代の到来と共に、物集めやコーディネートのスペシャリストとして、スタイリストという職業が誕生したのである。 さらに、スタイリストの人気を押し上げるきっかけを作ったのは、1960年代後半から1970年代にかけてのファッション雑誌の創刊ラッシュで、特に1970年創刊の「an・an」や、その翌年に創刊された「non-no」は、見て楽しむ、あるいは着こなしの手本にするといった雑誌の中において、価格やブランドなどの情報を掲載することで、メーカーと小売店と読者を結びつける機能を果たし、新しい視点の雑誌が誕生したのである。 こうした情報は若い女性を中心に広く受け入れられ、渋谷、原宿などのファッションストリートでは、「an・an」や「non-no」をかかえて、買い物をする女性も急増した。華やかなファッション業界で新たなスタイリングを提案するスタイリストは、ファッションリーダーでもありオシャレが好きな若者にとって憧れの職業である。このような時代背景に合わせたスタイリストの育成が必要とされ、本学院では1980年にファッション流通課程スタイリスト科を設立し、プ口としてのスタイリスト育成を目的に教育をスタートした。時代の流れと共にスタイリストの仕事は細分化され、ファッションだけでなくインテリアやフードといった他業種でも活躍し仕事の領域は多岐にわたっている。スタイリストはクライアントより仕事を請け負う側であり、仕事の出来・不出来で評価される信用とセンスが重要な仕事である。現在活動しているスタイリストには、フリーで個人事務所を立ち上げている場合と、大きな事務所に所属している場合がある。スタイリストになるための資格はないが経験と実績は必要である。個人事務所の場合は師匠と呼ばれるトップスタイリストの下でアシスタントの下積みを経験し、平均2~3年後に独立する。 本研究グループは、現スタイリスト科2年スタイリストコースのカリキュラムに導入されたスタイリストワークの授業の充実を計り、スタイリストアシスタントの現場で必要とされるスキルについて調査研究し、即戦力のある人材育成に活かすことを目的にした。}, pages = {193--198}, title = {ファッション雑誌におけるスタイリストの仕事}, volume = {7}, year = {2010} }