@article{oai:bunka.repo.nii.ac.jp:00000130, author = {岡島, 奈音}, journal = {ファッションビジネス学会論文誌}, month = {Mar}, note = {町人が経済力を獲得した江戸時代以降、日本女性の最も一般的な衣服であった小袖には、様々な趣向を凝らした意匠が登場した。本研究では、円山派絵師の筆によるという伝来を持つ三井家伝来きもの型原寸下絵29件の内の1件「八緩文様下絵」から推定される小袖の姿をCGで再現するとともに、同下絵に関する従来の言説を再検討するため、絵画作品である八橋図、工芸作品である八橋文様、各々の展開との比較を行った。考察の結果、以下のような見解を得た。 1)「八橋文様下絵」から推定される小袖は、鶴の丸文様の紅色論子。様板は鹿の子絞り、杜若の花は自または水色、茎は明るい緑、葉は一段濃い緑の色糸、橋桁の輪郭は金糸で刺繍され、全体には金砂子が施されていたと考えられる。 2)従来「八橋文様下絵」の制作にあたったと考えられてきた円山・四条派には、八橋図の作例を見つけることが出来なかった。小袖意匠としての八橋文様は類例も多くみられ、オーソドックスな小袖意匠として広く用いられたと考えられる。更に、橋を分断する八橋図の作例は決して多くないが、八橋文様には分断された橋の意匠の類例が散見している。 以上の見解から、「八橋文様下絵」を、円山派絵師が小袖意匠に絵画性を持ち込んだ作例というよりも、先行する小袖意匠を参考に制作されたものと結論付けた。}, pages = {43--53}, title = {三井家伝来きもの型原寸下絵「八橋文様下絵」に関する考察}, volume = {17}, year = {2012} }